【アクセ屋直伝】ニッケルフリーのアクセは錆びる?ニッケルがゼロじゃない深いワケ

【アクセ屋直伝】ニッケルフリーのアクセは錆びる?ニッケルがゼロじゃない深いワケ

金属アレルギーの人でもつけられると噂の、ニッケルフリーのアクセサリーが気になるけれど、錆びやすいらしい。本当のところはどうなの?と、購入を迷っている人は多いと思います。

結論、ニッケルフリーのアクセサリーが錆びやすいのは本当です。ニッケルはアレルギーの原因になりますが、耐食性などの点でメリットも多い金属のため、使用しないことで錆びやすさなどのデメリットが生じます。実はニッケルフリーの定義は曖昧で「ニッケルがゼロ」という意味ではないことも…。

今回は、なぜ錆びやすいのか、ニッケルの特徴をふまえながらわかりやすく解説します!

【1.4万人アンケート】ニッケルフリーのアクセは錆びる?錆びない?

ニッケルフリーのアクセは錆びる?錆びない?のアンケート画像

ChooMiaの公式Instagramでアンケートを実施しました。

【総回答数()】
錆びると思う:42%(46票)
錆びないと思う:58%(64票)

ニッケルフリーのアクセは錆びる?錆びない?のコメント画像

錆びると思うと回答した人のコメントを見ると、ニッケルに良くないイメージを持っている方が多いようでした…!

ニッケルフリーのアクセサリーは錆びやすい

ニッケルフリーのアクセサリーは、ニッケルが入っているアクセサリーより錆びやすいものが多いです。ニッケルは錆びにくく、メッキの下地としても優秀な金属なので、ニッケルの含有量が少ないぶん、錆びやすくなります

まずはニッケルがどういった金属なのかを詳しく見てみましょう。

ニッケルの特徴

ニッケルは腐食しにくく傷にも強い金属です。メッキの他にステンレスの合金としても多用されていて、ステンレスを錆びにくくするために添加されるクロムの働きを強化してくれます。

よく、サージカルステンレスが金属アレルギーになりにくいのは、ニッケルを含んでいないからだと誤解している方がいますが、上記のようにサージカルステンレスにもニッケルは含まれています。

では、どうしてサージカルステンレスは金属アレルギーになりにくいのでしょう。それは、製品にニッケルが含まれているから金属アレルギーになるのではなく、製品中に含まれるニッケルの溶け出しやすさが金属アレルギーの要因になるためです。

製品にニッケルを使っていたとしても、ニッケルが溶出し、皮膚と接触しなければ金属アレルギーは発症しません。

ニッケルフリーとは?

ニッケルフリーというのは、ニッケルを使用していないか、ニッケルの使用量を少なくしたアクセサリーに対して使われている呼称です。

ニッケルは金属アレルギーを引き起こしやすいため、代用金属としてチタン・ホワイトゴールド・銅・錫・亜鉛などを使用し、ニッケルの使用量を抑えています。

ただ、日本にはニッケルフリーという呼称を使うための規格や規制が存在しないため、製品中にどのような割合でニッケルが含まれているかはメーカーによって異なるのが現状。

EUにはきちんとした規格があり、皮膚に接触するニッケル製品の溶出率が法律で定められています。

実はニッケルフリーでもニッケルを使用している

前述のようにニッケルの使用量を抑えた製品についても「ニッケルフリー」という呼び方をするため、ニッケルフリーのアクセサリーにもニッケルは使用されています。

そのため、ニッケルにアレルギーのある人は、ニッケルフリー製品でも金属アレルギーを発症してしまう可能性は否定できません。

ではなぜアレルギーになりやすいニッケルを使用するのかというと、ニッケルは、非常に有益な性質も持っているためです。

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ニッケルが少ないとメッキが剥がれやすい=錆びやすい

身の回りにある金属が錆びるのは、金属が酸素や水に触れることがおもな原因。錆びやすさは金属ごとに異なり、ニッケルは錆びにくい金属です。

金属中に含まれるニッケル(=錆びにくい金属)が少ないと、錆びが発生しやすくなります。ニッケルフリーでも多少空気や水に触れただけで、いきなり錆びることはありませんが、水分や汗が付着したままにしておくと、変色や錆びが発生してしまうことも。

ニッケルはもともと錆びにくい金属であるうえに、メッキの下地としても優秀で、上に乗せる金属の定着がよくなるため、剥がれにくく丈夫なメッキを施せます。

アクセサリーは空気に触れることはもちろん、汗や水、塩分などと接触する機会も多く、錆びにくい加工を施すことが大前提。メッキにニッケルを使うことで、土台となる金属の腐食を防ぎ、より光沢を出すことが可能になります。

そのためニッケルは金属アレルギーの原因金属でありながらも、多くの製品に多様されてきました。

メッキの定着はニッケルの使用量だけではなく、製品の仕上げやメッキ液の温度など、多くの要因によって仕上がりが変わります。

ニッケルフリー製品を扱う会社の中には、ニッケルの利点を代用金属で補う努力や工夫をしている加工業者もあるでしょうが、すべての業者がそうとも限らず、玉石混合で見分けがつかないのが現状です。

ニッケルフリーのアクセサリーは黒ずみやすい

ニッケルは錆びに強い金属ですので、使用量が少なければ錆びやすくなります。黒ずみの原因が錆びにある場合は、錆びやすい=黒ずみやすくなってしまいます

ただ、黒ずみの原因は錆びだけではありません。ニッケルフリーメッキが剥がれてしまった場合は、メッキが剥がれたことで土台の金属が見えている可能性もあるでしょう。

シルバーの黒ずみは、錆びではなく空気中の硫黄分による硫化現象。シルバークロスで磨けばもとの色に戻せます。

土台の金属がホワイトゴールドの場合も、メッキの剥がれにより中のホワイトゴールドの色味が見えているのかもしれません。ホワイトゴールドは本来少し黒味がかった銀色をしているため、メッキが剥がれると黒ずんでしまったように見える場合があります

ニッケルフリーのアクセサリーでも土台がシルバーの場合は、こまめにお手入れすることで、輝きが戻る可能性もあります。

ニッケルのメリット

ニッケルは金属アレルギーの観点から悪者にされがちですが、多くのメリットもある金属です。

アクセサリーだけではなく、私たちの生活にニッケル製品がもたらしてくれる多くのメリットを見てみましょう。

メリット1.錆の防止や強度の向上

ニッケルは錆びに強く、強度もあるため傷がつきにくい金属。シルバーカラーの水栓には、ほぼニッケルメッキが施されていると考えていいでしょう。

耐食性の向上には欠かせないため、ステンレスにもニッケルを含む規格が多くあります。熱にも強く、ほどよい固さがあるため、工業部品から硬貨まで、さまざまなものに利用されています。

メリット2.見た目が美しい

ニッケルは錆びに強いだけではなく、装飾性の高さという視点からも優秀。貴金属の下地にすると光沢が増し、添加材を変えることによっては艶消しなど幅の広い表現が可能です。

メリット3.メッキ処理がしやすい

ニッケルはメッキの下地に使用すると、表面に施すメッキの定着がよくなります。また、銅素材に金メッキを施す際の下地として使用することで、銅の酸化を防止する役割もあります。

ニッケルのデメリット

ニッケルのメリットに続き、今度はニッケルのデメリットについても見ていきましょう。ニッケルの最大のデメリットは金属アレルギーを引き起こしやすい点です。以下に注意しなければいけないポイントをご紹介します。

デメリット1.ニッケルは金属アレルギーになりやすい

ニッケルは金属アレルギーになりやすい金属として有名で、身の回りにありふれた金属なだけに接触の機会も多く、食品などからも摂取してしまうため注意が必要です。

厚生労働省の調査でも、ニッケルはアレルギーの原因金属になりやすいことがわかっています。

参考URL:厚労省 家庭用品に係る健康被害病院モニター報告

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ニッケル使用アクセサリーでかゆみや赤みが出たら要注意

アクセサリーをつけていて痒みや赤みが出た場合、そのアクセサリーがニッケルフリーでも、そうでなくても、まずはアレルギーを疑い着用を中止しましょう。

異常があれば着用したアクセサリーを持って病院へ行き、パッチテストを受けることで、原因となる金属を特定できます。

ニッケル以外にもアレルギーを引き起こしやすい金属はありますので、自分が何の金属に反応しているかを知っておくことは、金属アレルギーの人にとって非常に重要です。

金属アレルギーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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ニッケルは食品にも含まれる

ニッケルは、蕎麦やチョコレートといった身近な食品にも含まれています。そのためアクセサリーで金属アレルギーを発症してしまい、反応がひどくなると、食品中に含まれるニッケルにも反応してしまう可能性があります。

重症でなければ大丈夫なようですが、ニッケルはさまざまな食品に含まれていますので、避ける食品の数が多くなってしまうこともデメリットのひとつ。

ニッケル製品との接触でかゆみなどを感じるなら、重症化を防ぐためにもできるだけ避けたほうがいいでしょう。

デメリット2.ニッケルアレルギーの人はクロムでもアレルギーを発症しやすい

ニッケルにアレルギーのある人は、クロムやコバルトといった金属でもアレルギーを発症しやすくなります。これを交差反応といい、避けなければいけない金属が増えればそれだけ生活に支障をきたします。

極力金属アレルギーを発症しないよう、普段から原因となる金属を避けることが大切です。

日本ではニッケルフリーとノンニッケル・ニッケルオフの違いは曖昧

ネットショップなどを見ていると、金属アレルギーに配慮した製品として「ニッケルフリー」のほかに「ノンニッケル」や「ニッケルオフ」という呼称を見ることもありますが、明確な違いはありません。

呼称には規格が存在しないため、どの呼び方をしていても一旦は「ニッケルを少ししか使っていない製品」という認識で大丈夫です。

ただ、各ショップごとにニッケルフリーはニッケルを使っていて、ニッケルオフはまったく使用していないなど、呼称を規定して使い分けている場合はあります。その場合は各ショップ内の解説を読んで判断してください。

日本のアクセサリーはニッケルの使用量について規定がない

日本のアクセサリーについて、ニッケルの使用量に対して法律で定められた規定はありません

ただし、日本ジュエリー協会では「ピアスアッセンブリー(針、キャッチ及び耳朶に直接接する部分)にはニッケル含有金属を用いないこと」として、会員に周知を図っています。

参考URL:https://jja.ne.jp/howtobuy/howtobuy_inner06.html

ハンドメイド用のアクセサリーパーツなどを販売している通販サイトでは、洋白(銅と亜鉛とニッケルの合金)を使用したものも見かけます。不安な方は素材を確認してから購入するようにしてください。

アクセサリーの見た目改善や錆びにくくするためにニッケルが使われている場合もある

現状、ニッケルはアクセサリー製作においてメリットの多い金属であることは間違いありません。見た目の改善や錆びの防止に、ニッケル以上に利用しやすい金属が発見されなければ、今後も使用されるでしょう。

ただ、金属アレルギーを発症する人が増加傾向にあることは事実。今後はよりアレルギーに配慮したアクセサリー製作が求められるようになり、実際アレルギーが出にくいことをアピールしているショップも多くあります。

商品を選ぶ際は、なぜその製品が金属アレルギーになりにくいといえるのか、根拠をしっかりと理解してから試すようにしてください。

錆びにくいアクセサリーはチタンやサージカルステンレス

シンプルラウンドチタンネックレス

チタンやサージカルステンレスは、錆にくく、金属アレルギーを発症しにくい素材です。中でもチタンは現状最も金属アレルギーを発症しにくい素材として、インプラントなどの歯科材料や人工関節にも利用されています。

ただし、チタンであっても合金された金属によっては錆が発生する可能性はゼロではありません。

錆びにくさだけではなく、金属アレルギーも気になる方は、より純度の高いチタンを選ぶといいでしょう。

錆びにくい合金アクセサリーはコーティングも大切なチェックポイント

カーブデザインシンプルチタンピアス

プチプラアクセサリーの多くは、土台にゴールドやプラチナといった貴金属を使わず、より安価な金属に貴金属のコーティングを施すことで見た目の改善を図っています。(貴金属のシルバーを土台に利用したものはあります。)

ここで大切になってくるのがコーティングの品質。プチプラの価格差はこのコーティングの質にも表れています。

表面のコーティングにロジウム(プラチナ属)やK18といった、金属アレルギーを発症しにくい素材が使ってあるものは、コーティングが剥がれない限り、金属アレルギーの発症リスクは低いといっていいでしょう。

また、質のいいメッキを施すには技術が必要です。さらに、仕上がってきたものを見極める検品力も、最終的にお客様の手に渡る前の大切な工程。

検品に高い基準をもうけているショップの商品は、コーティングもしっかりしているケースがほとんどです。

プチプラアクセサリーの中でも、金額に開きがあるのはご存じでしょう。数百円のアクセサリーなどはコーティングの素材や検品を重視していないショップが多いのが現状です。

メッキに使用している金属も、土台の金属も不明という商品も多いため、錆びやすく、アレルギーのリスクも高くなるでしょう。

もちろん、そういった商品が悪いわけではありませんし、素敵なデザインをより安く楽しめるというメリットもあります。

双方のいい点・悪い点を知って、ご自身の価値観に沿って選ぶことが大切です。

錆びにくい金属でコーティングしているものが安心

コーティングに使う金属は錆びにくいことが前提で、おもに利用されているのはシルバー系のロジウムコーティングとゴールド系のK18コーティングです。

ロジウムというのはプラチナ属の金属で、よくメッキに使用されますが、近年は価格高騰により代用ロジウムメッキというコーティングを施した商品も見られるようになりました。

より安価な金属でロジウムのような輝きを得られるといわれていますが、変色や変質について、どこまでロジウムに近づけられているのかは疑問が残ります。

また、ロジウムという名前を使わずにプラチナコーティングという名前で販売しているアクセサリーもあり、聞こえをよくするためにロジウムコーティングを言い換えているものと思われます。

ロジウムとK18以外で、よくわからない素材が書いてある場合は、その商品を避けるか販売元に問い合わせてみると安心です。

コーティングによって艶のある金属にしたり、アンティークな雰囲気を出したりといった調整ができるため、こだわりを持っているショップなら、問い合わせに誠実に答えてくれるでしょう。

中には、より安価な真鍮でコーティングしたものの上に変色防止の塗装を施したような素材も見られますので、あまりにも安い商品の場合はよく確認してください。

色調調整のためにニッケルが使われるケースもある

ニッケルは、ホワイトゴールドやシルバーの色調調整として利用される場合もあります。そのため、高額なホワイトゴールドやシルバー製品であってもアレルギーを発症してしまう人はいます。

近年は金属アレルギー対策としてニッケルをなるべく使用しない製品も増えてはいますが、金属を明記していないものについてはニッケルが使われている可能性は否定できません。

使用していて異変を感じたら、一旦着用を中止して様子を見るようにしてください。

しっかりコーティングされているアクセサリーは錆びにくい

スケールモチーフチタンリング

メッキを施す際、土台となる金属の仕上げが荒かったり、メッキ前の汚れが落としきれていなかったりすると、メッキ不良を起こしてコーティングが剥がれやすくなります。

また、傷がある箇所からコーティングが剥がれる場合もあるので、店頭で商品を選ぶ際は細部までしっかりとチェックしてください。そういった意味でもネットで購入する場合は、しっかりと検品をしているショップのアクセサリーのほうが安心です。

コーティングはいつか剥がれる

どれだけしっかりとコーティングしていたとしても、コーティングである以上はいつか剥がれてしまうもの。お気に入りのアクセサリーほど登場する機会も多くなるため、しっかりお手入れをして長持ちさせましょう

しっかりとコーティングされているものなら、半永久的に使用することも可能です。使用頻度は少ないものの、筆者が30年前に購入したロジウムメッキのチェーンは、使用後に軽く拭くお手入れだけで今でも美しく輝いています。

コーティングを長持ちさせるお手入れをする

なるべくコーティングを長持ちさせるには、着用後のお手入れと保管場所に注意が必要です。

メッキ製品のお手入れについては、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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コーティングが剥がれにくいシーンで着用する

海辺やスポーツなどで汗をかく場面では、アクセサリーを外しておくと安心です。とくにコーティングされているものについては、汗や水に弱く、砂ぼこりなどで傷がつくのも避けたいもの。

ワンシーズン楽しむためのアクセサリーならいいですが、長持ちさせたいアイテムについては避けるのが無難です。

錆びにくいおすすめアクセサリー3選

ランダムハートチタンリング

チタンを使用した、錆びにくいアクセサリーをご紹介します。土台がチタンであること、品位の高いゴールドでコーティングを施していること、コーティングの剥がれにくい形状などを基準に選びました。

気になる方はさらにシルバーカラーを選ぶことで、色味の違いが目立たなくなります。

1.【18K】ランダムバブルボールチタンピアス

ボールモチーフをランダムな配置に繋げたピアス

ランダムなバブルモチーフがポップで楽しいピアスです。このピアスはチタン製でK18コーティング。錆びにくく軽いため、大きめモチーフでも耳への負担が少なく、快適に身につけられます

丸みのあるデザインで顔回りの印象が優しくなりそうです♡

2.【18K】マンテルモチーフロングネックレス

マンテル金具をモチーフにしたロングネックレス

シンプルなマンテルネックレスは、流行に左右されにくいアイテム。錆びにくく長持ちする素材なら、ずっと付き合っていける一本になります。

シンプルながらアレンジの幅が広く、洋服のデザインによって変幻自在なシルエットを描ける使い勝手のよさは想像以上です!

3.【18K】ジルコンラインチタンリング

チタン素材にコーティングを施した、フルエタニティの華やかなリングです。リングはぶつけて傷がつくことも多く、メッキへのダメージが大きいアイテムですが、ジルコンの占める面積が広いため、色落ちも目立ちにくいでしょう。

一本でも華やかですが重ね付けもしやすく、繊細な女性の指をより華やかに見せてくれるデザインです。

錆びる素材・錆びにくい素材についてを更に詳しく解説

以下の記事では、ニッケルフリーに関わらずさまざまな素材で錆びる素材・錆びにくい素材について詳しく解説しています。

もっと素材について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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