合金のアクセサリーでアレルギーが出る原因は?出やすい素材から安全な素材まで詳しく解説

合金のアクセサリーでアレルギーが出る原因は?出やすい素材から安全な素材まで詳しく解説

「素材:合金」とだけ表記されているアクセサリー、よく見かけませんか?とくにプチプラ系に多く、合金だけでは結局何の金属が使われているのかはっきりしないので、金属アレルギーの方はつけても大丈夫か不安ですよね。結論、合金とだけ書かれている場合、残念ながら具体的な素材はわかりません

ただ、合金の場合は金属アレルギーを引き起こす素材が使われていることが多いため、心配な人は避けたほうがいい素材なのは確かです。

今回は、合金アクセサリーが安い理由・耐久性や着用する際の注意点を解説します。

アクセサリーの表記にある「合金」とは

合金製のヘアアクセサリー

アクセサリーの素材表記で合金と書かれてあるものは、2種類以上の金属を混ぜて作った金属が使用されています。

ただし「合金」だけでは何の金属が入っているかの判断はできません。中にはチタン合金や真鍮(ブラス)など、素材が予想できるものもありますが、合金としか書かれていないものは、よほど経験を積んだプロでない限り見分けがつかないでしょう。

一つ明らかなのは、合金と表記されたアクセサリーは貴金属ではない、ということです。

ゴールドやプラチナなど価値がある金属を使用しているなら、販売業者は素材を明記しますので、合金アクセサリーはゴールド・プラチナ・シルバー以外の金属であることが推察できます。

また、数ある金属の中でもアクセサリー製作に向いている素材が使われているはずなので、候補となる金属はある程度絞られます。

一般的なアクセサリーに使われる合金には、どのような素材があるのかをご紹介しましょう。

金属には「貴金属」「卑金属」の2種類の分類がある

金属は、イオン化傾向によって「貴金属」と「卑金属(ひきんぞく)」に分類されています。

イオン化傾向とはその金属が錆びにくいか、錆びやすいかに関わる指標で、イオン化傾向が小さいほど錆びにくく、大きいほど錆びやすくなります。合金とだけ書かれている場合は、卑金属同士を混ぜたものである確率が高いです。

流通する主な金属の中では、イオン化傾向が小さく、かつ希少性の高いプラチナの仲間6種類・ゴールド・シルバーを貴金属と呼んでおり、それ以外の金属はすべて卑金属です。

(銅は産出量が多いため分類は卑金属ですが、イオン化傾向からいうと銅も貴金属に近い性質を持っています。)

卑金属は「卑しい」という字を使うため、質の悪い金属というイメージを持たれがちですが、卑は低いもの、貴は高いものに当てられる漢字。

電位が低い(=イオン化傾向が大きい)金属に対して「卑」という字を使っているだけで、日常的に利用される金属としては卑金属のほうが圧倒的に多くなります。

合金にも「亜鉛合金」「チタン合金」など色々な種類がある

複数の金属を混ぜて作られた金属はすべて合金です。すなわち、貴金属のプラチナやゴールドも、純プラチナ(Pt1000)・純ゴールド(K24)以外はすべて合金された金属です。今回は貴金属以外の合金について解説していきます。

プチプラアクセサリーで合金と書かれている場合は、おもに卑金属同士を混ぜて作った金属です。ただ、どういった素材を、どのような割合で合金しているかはメーカーによって異なります。

合金に使われている主な金属は亜鉛・銅・錫・鉄・ニッケル・クロム・アルミニウム・鉛など。ニッケルとクロムはとくに金属アレルギーの原因になりやすい金属です。

鉛は毒性が強いため現在は使用していないか、使用していてもごく微量で、子ども用のアクセサリーでは使用制限が設けられている素材です。ただし、アンティークアクセサリーなどは鉛を使用している可能性があるので注意してください。

また、厚生労働省の発表によると、平成18年に輸入品の金属製アクセサリーから高濃度の鉛が検出されたケースもあるため注意が必要です。

参考URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/tp0308-1.html

金属アレルギーの発症のしやすさなど、各金属の特徴はこちらの記事でも解説しています。

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〇〇合金と表記されている場合は、〇〇に入る金属をメインに、他の卑金属を混ぜていることがわかります。また、合金と書かれていなくても、合金された後の金属に名前がついているケースもあるため、もう少し詳しく見てみましょう。

亜鉛合金

亜鉛にアルミニウムや銅などの金属を混ぜて作られるのが亜鉛合金。ミニカーなど、ダイカスト製のおもちゃの材料として、よく知られている素材です。

亜鉛合金は加工がしやすく、衝撃に強く、メッキのノリもよいので、身近にあるさまざまなものに使われています。

ただし亜鉛はイオン化傾向が大きいので、汗によって溶け出しやすく、アクセサリーにする際は肌に触れない部分に使うなどの注意が必要です。ピアスなどは軸部分のみサージカルステンレスを使い、飾りの部分は亜鉛合金を使用している場合があります。

金属に敏感な人は少し肌に触れただけでもかゆくなる場合がありますので、注意してください。

真鍮

真鍮はおもに銅と亜鉛の合金です。銅と亜鉛の割合や、微量に混ぜる他の金属の有無によってさらに細かい分類はありますが、アクセサリーで使われているものは銅:亜鉛の比率が約6:4のものが多いでしょう。

銅:亜鉛の比率が約6:4の真鍮はゴールドに似た色をしており、亜鉛の割合が多くなると、真鍮の色が薄くなります。亜鉛が増えるにつれ硬度が増す代わりに脆くなるため、細いパーツは衝撃によって折れてしまう可能性があります。

真鍮には銅と亜鉛が使われているため、アレルギーのリスクは高め。ニッケルやクロムほどではありませんが、敏感な人は反応してしまう可能性があるでしょう。

また、銅は緑青といって緑色の錆びを発生するため、真鍮製のアクセサリーが皮膚に長時間接触していると、肌に色がうつってしまいます

緑青に毒性はなく、石鹸で洗えば色を落とせますが、気になる人は着用を控えましょう。

真鍮についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

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洋白

銅と亜鉛とニッケルを混ぜた金属が洋白です。洋銀やジャーマンシルバーと書かれている場合もあります。見た目はシルバーに非常によく似ていますが、シルバーは含まれていません。シルバーよりも硬いため、ブローチピンなどの金具部分に利用されることの多い素材です。

洋白はアレルギーになりやすいニッケルを含むため、肌に触れる部分に洋白を使うケースは少ないものの、ハンドメイドアクセサリーではたまに見かけることがあります。

洋白を使ったアクセサリーが肌に触れる場合は、現状金属アレルギーのない人でもコーティング剤を使用するなど、アレルギー予防の対策を取っておきましょう。

ピューター

ピューターは錫に銅などを混ぜた合金で、ホワイトメタルと呼ばれることもあります。食器や小物に利用されることの多い合金ですが、アクセサリーのパーツなどに利用されるケースも。ピューター製のアンティーク品などは鉛が含まれている可能性があるため、アレルギーには注意が必要です。

ステンレス

ステンレスは、主に鉄を使用した合金です。鉄の中でも、炭素が1.2%以下でクロムが10.5%以上含まれているものをステンレス鋼といい、用途によってさまざまな規格があります。

アクセサリーでは医療用に使われるステンレスの規格(SUS316Lなど)で作ったアクセサリーを、サージカルステンレスと呼ぶこともあります。

ステンレスは規格によって特性が異なり、耐食性の高い規格であれば金属アレルギーのリスクを下げられるでしょう。ただし、サージカルステンレスという呼称には特定の規格が定められていません。

耐食性の高いステンレスの規格で、アクセサリーによく使われているものは、SUS316L・SUS904Lなどです。プチプラアクセでとくによく見かけるのはSUS316L。SUS904Lはロレックスのような高級腕時計に使用されており、スーパーステンレスと呼ばれることもあります。

金属アレルギーが心配な人はサージカルステンレスと書かれていても、規格まで確認して選ぶと安心です。すでにお手元にあるステンレスのごく簡易的な見分け方として、磁石にくっつくようならSUS316Lではありません。 

また、ステンレスのメイン素材である鉄の割合が50%以下になると、単に「合金」と表記されてステンレスとは区別されます。

ステンレスについてさらに詳しく解説した記事はこちらです。

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チタン合金

チタン合金はチタンにアルミニウムや鉄などを混ぜた合金です。非常に軽くて丈夫であり、合金の中でもアレルギーを起こしにくい素材として知られています。ただし、合金である以上、純チタンよりはアレルギー発症のリスクは高いでしょう。

優れた特性をもつチタン合金はアクセサリーに適した素材ですが、加工が難しいので他の合金アクセサリーと比較すると金額は上がる傾向にあります。また、複雑な形状のものは作れず、修理ができる工房も限られるでしょう。

チタンについての詳しい解説はこちらの記事を参考にしてください。

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合金は金属アレルギーを起こしやすい

単に「合金」とだけ書かれたアクセサリーは、正直どんな金属が使われているかわかりません。さらに言えば、金属アレルギーを引き起こしやすい金属が使われている可能性を疑ったほうがいいでしょう。

商品にチタン合金などの比較的安全な素材を使っているなら、きちんと明記した方が購入されやすいはず。書かれていないなら、書くとマイナスなイメージがあるため書けない、もしくは販売元が把握していないケースがほとんどです。

合金アクセサリーは安価で楽しめるメリットがある反面、金属アレルギーのリスクや耐久性の面においては妥協が必要な場合もあります。

肌に直接触れないように工夫したり、短時間の着用にとどめるなど、金属アレルギーの発症リスクを下げる工夫をした上での着用をおすすめします。

合金は錆びやすく変色しやすい

合金されている金属の多くは卑金属ですので、貴金属と比較すると錆びやすく、変色も早くなります。

しっかりとしたメッキが施されていれば、すぐに錆びることはありませんが、メッキが剥がれた場合に再メッキするのは難しい場合がほとんど。

お手入れをしたとしても、長期間の使用には向かないと割り切って利用しましょう

合金アクセサリーのメリットは「丈夫」「安価」

カラフルなストーンのヘアクリップ

アクセサリーを合金で作ると、耐久性が上がり丈夫になったり、安価で販売できたりといったメリットがあります。

アクセサリーは傷つきにくいことに加えて、対腐食性や対摩耗性、金属疲労に対する強度などが求められる商品。金属の多くは、単一元素では軟らかく、合金や焼き入れ(熱処理)すると硬くなる性質があり、強度面での課題をクリアするために合金されるケースがあります。

金属アレルギーなどの心配はあるものの、おしゃれな人は合金アクセサリーを賢く利用しています。安価で丈夫である合金のメリットを活かした利用方法を見てみましょう。

前提としてアレルギーのリスクを抑えるためには、単に「合金」とだけ書かれたアクセサリーではなく、ステンレスやチタンなど、合金の中でもアレルギーを起こしにくい素材の中から選ぶことが大切です。

とにかく硬くて丈夫

硬さをあらわす指標であるビッカース硬度で比較すると、チタン合金のビッカース硬度が110Hvほどあるのに対し、純金は22Hv。ビッカース硬度22Hvは、指の爪で傷をつけられるほどの硬さです。

ただし合金のアクセサリーはアレルギー予防や色味の調整などの目的で、ほとんどの製品にメッキが施されています。合金自体の耐久性が高くても、長く使っていればメッキが摩耗してしまうでしょう。

貴金属製のアクセサリーであれば再メッキできるケースも多いのですが、合金アクセサリーは再メッキできないことが多いため、長期の使用には向きません。

では、どういったときに合金アクセサリーを登場させるかというと、高価なアクセサリーをつけるのに向かない日がいいでしょう。

貴金属製の華奢な指輪ですと重い荷物を持っただけで歪む可能性もあるため、品出しや引っ越しといった重労働が予想される日は、最悪壊れてもダメージが少ないプチプラの合金アクセサリーがおすすめ◎

K18など純度が高くやわらかい貴金属は、ホコリなどでも細かい傷がついてしまうため、子どもと公園に行く日や、砂塵の舞う場所にいる時は合金アクセサリーにしておくと安心です。

安価で購入できる

合金は産出量が多く安価で手に入る素材が使われているため、貴金属製のアクセサリーと比べて安く購入できます

2023年2月3日の真鍮1kgの価格が890円であるのに対し、同日の金の店頭小売価格は1g8,782円となっています。金の価格をkgで換算すると、およそ880万円。原材料にこれだけの差がありますので、合金のアクセサリーは安く購入できるのです。

参考URL:https://www.oudoubou.com/products/brassprice.html

参考URL:https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/d-gold.php

安価で手に入るメリットを活かして、ずっと使い続けたい普遍的なデザインのものは貴金属、ワンシーズン楽しむ流行アクセサリーは合金アクセサリーといった使い分けはいかがでしょう。

ただしピアスに関しては金属アレルギーを発症しやすいため、どのような場合でも金属アレルギーが起きにくい素材を選ぶほうが安心です。

合金アクセサリーも、上手に取り入れるとコーディネートのマンネリ化が防げますので、賢く利用してください。

【対策方法】金属アレルギーだけどどうしても合金アクセサリーをつけたい場合

金属アレルギーの人は、基本的には合金のアクセサリーは避けるのが無難です。ただ、可愛いデザインのプチプラアクセを見ると、どうしてもつけたくなってしまいますよね。

金属アレルギーは金属が皮膚と接触して起こりますので、どうしてもつけたい場合には、コーティング剤を塗布するなどの対策をしてみてください

コーティング剤は金属の表面を透明な樹脂でコーティングし、皮膚と金属が直接触れないようにする役割があります。

「金属アレルギー コート剤」などで検索すると、1,000円前後で多くの商品が出てきます。筆で塗るタイプや、液にアクセサリーを丸ごと投入するタイプなど、使用したいアイテムに合わせて選びましょう。

ただし、コーティング剤を使用しても金属アレルギーが出る人はいます。ピアスはとくにアレルギーが出やすく、キャッチを留める際にコーティングをこすり落としてしまいがちなので、こまめに塗りなおすようにしてください

上記の対策をしつつ、現状自分が何の金属に反応しているのかを知っておくことも大切です。100%アレルギーが起きない金属は存在しませんが、合金でもあなたに合う素材が見つかるかもしれません。

とはいえ金属である以上、将来的に金属アレルギーを発症してしまう可能性は否定できません。今は金属アレルギーがないという人も、突然発症してしまう可能性があります。

現状は反応していない合金でも、なるべく肌に触れないようにし、水分はすぐにふき取るといった対策をしておくことは有効です。

まとめ

一粒パールのヘアクリップ

合金アクセサリーについて解説しました。プチプラアクセサリーの素材に合金と書かれていた場合、多くは卑金属を混ぜた合金が使用されています。

卑金属は水に溶け出しやすく、金属アレルギーを発症するリスクが高くなるため、金属アレルギー対策としては着用しないことをおすすめします。

ただ、どうしても身につけたい場合はコーティング剤を使用したり、直接肌に触れないように工夫したりといった対策をとりましょう。

同じ合金でもサージカルステンレス(SUS316L)やチタン合金であればアレルギーになりにくく、問題が起こっても素材の特定が容易なので、なるべく素材のわかるものを選ぶと安心です。

合金は安くてある程度丈夫なので、うまく使えばおしゃれの幅が広がります。ただし、ピアスに関してはアレルギーになりにくい素材を選ぶなど、適材適所で利用するようにしてください。

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